令和 4年 2月定例会 ◎ 令和4年2月
岡山県議会定例会会議録 第6号〇 令和4年3月8日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○副議長(
池本敏朗君) 皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 一般質問
○副議長(
池本敏朗君) 日程に入り,一般質問を行います。 16番山本雅彦君。 〔 16番 山本雅彦君 登壇 〕
◆16番(山本雅彦君) 皆さん,おはようございます。 今日は,本当に春を感じる暖かい太陽の光を浴びながら2時間かけて参りました。
自由民主党の山本雅彦です。よろしくお願いします。 このたびの世界に激震を与えたロシア・プーチンによる
ウクライナ侵攻は,許されざる蛮行です。国際社会の一致した行動で一日も早い停戦と和平をお祈りいたします。 改めて民主主義の大切さと
プーチン大統領を選んだとされる選挙の重要性,そしてその公正さを問うことを再確認しなくてはなりません。
新型コロナウイルス感染症は,私たちの社会生活に大変大きな影響を与えています。選挙も例外ではありません。 そこで,初めに,
選挙管理委員会の取組と
コロナ禍の選挙について質問いたします。 読売新聞の報道によりますと,昨年10月の衆院選で
選挙事務のミスや問題行為が,
国政選挙では,過去最多となる約290件に上る見通しとのことであります。
本人確認不足や投票用紙の誤交付などの単純ミスが多く,驚くことに
北海道函館市の期日前投票所でマスク姿の12歳の少年が体調が悪い母親に代わり小選挙区の投票をした。千葉県流山市でも,体調が悪い父親の
入場整理券を持参した14歳の少年が投票したとあります。慣れない
コロナ禍での選挙であり,
マスク着用の本人確認に相当な御苦労があったと思いますが,ミスがあれば選挙の公正さ,正当性が問われます。 昨年10月の衆院選において,本県では,どのようなミスが何件あったか,また
新型コロナウイルス感染症の影響で起こってしまったと思われる事例があったかどうか,併せてお示しください。
選挙管理委員長にお尋ねいたします。 また,
国政選挙でのミスは,1995年以降,衆院選で10倍,参院選で13倍にも増加したとのことです。これは,
自治体職員の減少で選管職員が他の部署との兼務になるなど,
選挙事務に詳しい人材が不足してきたことによるものとの指摘もあります。人材の育成が課題と考えますが,
コロナ禍の選挙の実情を踏まえ,御所見をお聞かせください。
選挙管理委員長にお尋ねいたします。 私の地元,津山市で先月6日,
津山市長選挙が行われました。投票率は47.56%で,4年前の前回を8.25ポイント下回り,過去最低となりました。ここ4回の投票率は,約56%~58%で推移してきましたが,そこから大きく落ち込みました。そのときの選挙情勢にもありますが,明らかに
コロナ禍が投票率に反映されています。有権者が外出を控える習慣ができていて,期日前を含め投票に行かなかったと考えます。 有権者の外出控えや,人と人との接触機会を少なくする必要があること等から,
選挙管理委員会が実施する選挙啓発も御苦労が多いことと思います。
コロナ禍での選挙における啓発の課題,またそれに対してどのような工夫がなされているのか,
選挙管理委員長にお伺いいたします。 この市長選,私の下へ今は
まん延防止等重点措置の期間中で,外出も控えている。選挙を延期するべきではないかとの声が複数寄せられました。しかし,
公職選挙法の規定により,
任期終了日以降の選挙は認められていません。
コロナ禍ではありますが,このたびは,予定どおり執行されました。
新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息を祈るばかりでありますが,この夏には,
参議院選挙,来春には,
統一地方選挙が予定されています。
緊急事態宣言下,また再び
まん延防止等重点措置下の選挙となる可能性もあります。新たな疫病の発生,さらに自然災害の発生も誰にも予測がつきません。しかし,その備えは必要ではないでしょうか。こうした非常事態における選挙の執行について,県選管においても
マニュアル等を整備して
市町村選管とも共有してはいかがでしょうか。 また,非常時における選挙期日の延期について,
国政選挙は,憲法改正を待たなくてはいけないと思いますが,地方選挙においては,法改正により可能であります。そうした法整備が行われるよう,国に働きかけることも必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか,併せて
選挙管理委員長にお尋ねいたします。 民主主義の根幹をなす選挙が,安心して実施できる
体制づくりに取り組んでいかなくてはなりません。現在,国では,平成30年の投票環境の
向上方策等に関する研究会から,在外選挙における
インターネット投票の導入の提言を受け,早期導入に向けた調査・実証実験が行われています。投票する人の利便性の向上に加え,
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも,
インターネット投票は有効な方法であると考えます。 この
コロナ禍を機に,投票を含め選挙の
デジタル化を進めなくてはなりません。国内での投票も含めた早期実現を全国初の電子投票が行われました新見市のある本県といたしましても,ぜひ国へ要望いただきたいと考えますが,
インターネット投票の導入に対する御所見と併せて知事にお伺いいたします。 次に,移住・定住につきまして。
厚生労働省の
人口動態統計速報値によると,昨年,2021年に生まれた赤ちゃんの数は,6年連続で過去最少を更新し,84万2,897人だったと報じられました。死亡者数は,戦後最多の145万2,289人とのことです。日本の人口減少がさらに加速したと言わざるを得ません。出生数から死亡数を引いた自然減は,過去最大の減少幅となる60万9,392人となります。人口減に歯止めがかからず,健康保険や年金をはじめとする
社会保障制度の維持も危ぶまれ,私たちの暮らしに大きな不安があります。
新型コロナウイルス感染症流行による経済状況,生活の変化に対応した支援は大変重要ですが,今
定例会代表質問にもありましたように,
人口減対策こそ最も力を入れる必要があると考えます。 移住・定住への取組について質問いたします。 約10年前,本県は,
移住先人気で2番,3番といった地位をいただき,海,山があり,自然豊かで気候が温暖,災害が少ないと,魅力多き県との評価をいただいてまいりました。地方移住を支援する
NPO法人ふるさと回帰支援センターが昨年窓口を訪れた相談者約5,500人を対象とした
都道府県別の
移住希望地ランキング,
アンケート結果の発表が先日ございました。静岡県が2年連続の1位,2位は福岡県,3位は山梨県が続きます。また,センターが昨年受けた相談・問合せの件数は5万件近くで,女性の割合が約45%と,件数・女性割合とも過去最大でありました。 また,東京近郊でない地域に人気が広がったとのことであります。センターでは,
新型コロナウイルス感染症で都会の人間関係が希薄化する中,人と人とのつながりを求める女性の間で地方への関心が高まったとしています。 岡山県は,残念ながら21位以下で,
ランキング非公表でありました。移住者の獲得については,各県がしのぎを削っているとも言えると思います。このたびの結果について,県はどのように受け止めておられますか,知事にお伺いいたします。 団塊の世代が75歳を迎えようとする今,おじいちゃん,おばあちゃんが孫に声をかける
ラストチャンスかもしれません。
ふるさと岡山に暮らす親族が都会に暮らす子供や孫に声をかける。また,20歳代,30歳代の岡山に暮らす女性がふるさとで一緒に学んだ友達に声をかける。そのきっかけを行政が後押ししなくてはなりません。この人と人とのつながりで,本県への移住の促進を図るべきだと考えます。 もちろん,声をかけていただく方々に移住に係る優遇策をしっかり理解していただき,場面,場面で行政が相談に乗り,説明も必要です。 ここで御縁でつながり,声をかけていただく方々に何らかの
インセンティブを用意してはどうかと思います。具体的に言えば,移住後,知事から移住の勧誘者,紹介者に感謝の意を込め,感謝状と金一封を授与してはどうでしょうか。金一封は無理でも,何らかの
インセンティブを授与することで,大変話題となり,効果があるものと考えます。 若い女性に,その友人から自治体が取り組む
定住支援金などの施策をお話しいただき,きっかけをつくる,その方が本県に移住し,もし結婚,出産へとつながれば,大変めでたいことです。こうした県民の人と人とのつながりを生かした移住の促進について,知事の御所見をお聞かせください。
県内市町村でも移住・定住につながる様々な取組を行っています。昨年6月には,岡山市や津山市,久米南町など,7市町が連携して東京,大阪に「おかやま
ぐらし相談センター」を開設いたしました。また,子育てするなら〇〇町へと,都会にはない
子育て支援制度や
移住支援金などの支援制度の整備も進んでいます。こうした皆さんの努力で,移住・定住施策の一定の前進はあります。しかし,大きな水害があったから
人気ランキングの低下はしょうがないとは考えず,とにかく
移住希望地ランキングで21位以下になっている,この事実を重く捉え,できる最大限の努力が必要ですが,移住・定住施策の取組評価への知事の御所見をお伺いいたします。 次に,
新型コロナウイルス感染症の拡大は,企業の休廃業を促進させるとの予測もありましたけれども,
民間調査会社によると,昨年の県内企業の休廃業・解散は609件で,前年2020年の604件と比べ0.8%の微増にとどまりました。無利子・無担保融資など,政府や金融機関の各支援策が事業継承か廃業かの判断を遠のかせたと分析されています。 一方,「建設2万6,000社倒産懸念」との見出しで,注目すべき報道がありました。建設業において,売上げが落ち込む一方で,資金繰りを賄うための
銀行借入れが膨らんでいる企業が多く,就業者の減少に伴う人手不足がそうした苦境に一層拍車をかけているとされています。 2022年1月31日に発表された帝国データバンクによる
建設業界動向調査によると,21年に倒産した企業では,直近の売上高が前年から平均で26%減少,借入金など
有利子負債が月商の何倍に当たるかを示す
有利子負債月商倍率は,平均で5.87倍に達していたそうです。通常この倍率が5倍を超えると,
有利子負債の返済が難しいと言われます。倒産企業では,売上げの減少と借入れの増加で経営が行き詰まったと見られます。建設業界で減収26%以上と
有利子負債月商倍率5.87倍以上に該当する企業を調べた結果,両方の要件を満たす
破綻リスク先は,調査対象の5.7%に当たる約2万6,000社に上り,
新型コロナの感染拡大前の18年の約1万4,600社と比べて2倍近くまで増えました。 倒産した
建設業者は,
建築工事関係の業種が上位を占めました。
コロナ禍で
新設住宅着工件数が減少したことや,飲食店,商業店舗の新規出店やリニューアルなどの設備投資が控えられたこと,さらには,
ウッドショックや
アイアンショックなど,建設資材の高騰による収益の悪化が背景にあると見られます。この報道に接し,本県内の
建設業者の実態が大変心配されます。 この冬は,例年になく県北地域では雪が多く,除雪作業も頻繁に行われました。あってはなりませんが,自然災害時の緊急対応を含め,県土保全の主役は,
建設業者であります。コロナに対応し,行政から施策で守っていかなくてはなりません。 「資材単価が大幅に減少しているのに,価格競争が続いて販売価格に反映できず,仕事をしてももうけにつながらない」との声を聞きます。その一因に,建設資材の高騰があると考えますが,鉄骨・木材・生
コンクリートといった
代表的資材の市場価格の推移の実態をお示しください。 また,
県発注工事における資材単価の高騰に対応した発注価格の見直しは,速やかに適切になされているのか,併せて
土木部長にお尋ねいたします。 予算が大きな事業では,契約から工事の完成まで長期間となります。その間の
資材価格の変動に対してどのように対応していますか。また,それは,
建設業者が適正な利益を確保できるための有効策として機能しているのでしょうか,併せて
土木部長にお尋ねいたします。 次に,先ほどの
業界動向調査によると,倒産した
建設業者を細かい業種分類で見ると,
土木工事業も上位となっています。
官公庁工事でも,2021年度から始まった「5か年
加速化対策」など,予算は計上されているものの,この
コロナ禍に伴い地方自治体による発注手続の遅れを余儀なくされたことが背景にあるようであります。本県では,コロナによる発注の遅延は起きていますか,
土木部長にお尋ねいたします。 次に,人手不足問題です。 建設業界においては,近年就業者の高齢化が進む一方で,3Kのイメージから若者が業界に足を踏み入れず,慢性的な人手不足が経営上の大きな問題となっています。加えて,業種の垣根を越えた人材の奪い合いなどもあり,
人材不足感は高まっています。 人手不足による倒産が増加することも心配です。建設業は,特殊な技術が必要となる,いわゆる職人さんの活躍の場でもあります。一朝一夕に人材育成が進むとは考えませんが,急ぎ取り組む必要が高まったと言えます。大工,とび工,左官工,型枠工,配管・配電工など,日本のたくみの技術の継承にも努めなくてはなりません。そのためには,若者にこの技術職の必要性や
社会的存在意義をよく理解してもらうこと,またこの職の将来の有望性を広めていくことが大切であります。もうからない部分の仕事をさせられ,誇りも感動も喜びもなく,精算金を値切られる状況では,親方職人は,子供に自分の仕事を継げとは言いません。子供も継ぐ気持ちはさらさらないのではないかと思います。職人が誇りを持って自分の仕事を子供に,世間に,社会に語れるような建設業であってほしいと考えます。 日本の建築文化を担ってきた職人技能の維持・継承にも今取り組まなくてはなりません。本県には,
吉備津神社や閑谷学校に代表されるような,すばらしい
歴史的建築物が数多くございます。その維持補修を京都や奈良の業者さんの力に頼るのでは,全く情けないです。 県では,建設産業の人材確保のため,安全で働きやすい労働環境の実現につながる取組を進めておられます。また,
産業労働部関係功労者として県内の建設業に携わる働き盛りの人の中からも,数人を選考し,その方の持たれる技術や実績に対し,知事表彰を贈り,受賞者や業界のモチベーションを高めていただいています。人材定着のためには,こうした表彰のように建設業で働く人たちのスキルや努力を社会的に認めるなど,自分の仕事に誇りを持っていただくための取組の拡大も必要ではないかと考えます。 たくみの技術を含め,様々な建設技術が維持・継承されていくことは,県土の発展や防災力の強化の観点からも,非常に意義あるものと考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。 また,
担い手不足に対する今後の取組についても,併せてお聞かせください。 また,建設業に関わる人材増には,
キャリア教育が大きく影響すると考えます。小・中・高校の教育を通して,やりがいや
社会的有益性,生涯生きていける技術の習得と修練は,価値あるものなのだと理解してもらうことは重要だと思います。本県の学校現場では,
建設技術習得者へとつながる
キャリア教育はどのように行われているのでしょうか,教育長にお尋ねいたします。 あらゆる業界にコロナの負の影響が出ています。
アフターコロナの
景気浮揚策として,公共工事がまず第一と私は考えます。 そこで,業者数が激減し,従事する人材もいなくなっては,どうしようもありません。予算をつくり,公共施設の新築や建て替え・
耐震化工事を発注しても,誰も応札しない,そんな事態が起こりつつあるのではないかと感じています。安全・安心な
地域づくりを担うとともに,地域経済を支える重要な産業である建設業に対し,引き続き十分な御支援をよろしくお願いいたします。 以上,質問とさせていただきます。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君)
自由民主党の山本議員の質問にお答えいたします。 まず,
コロナ禍における選挙についての御質問であります。
インターネット投票についてでありますが,
インターネット投票は選挙人が投票所に出向く負担が軽減されるなど,投票環境の向上につながるとともに,
感染症対策としても有効な方法であると考えております。 また,昨年12月に閣議決定された「
デジタル社会の実現に向けた重点計画」において,「
ネット投票等の法的な整備の検討が必要である」とされ,在外投票を想定した実証実験も進められているところであり,現時点では,国に要望することまでは考えておりませんが,引き続き国の動向を注視してまいりたいと存じます。 次に,移住・定住についての御質問であります。
ランキングの受け止めについてでありますが,本県が地震の少ない地域であることなどが注目され,
ふるさと回帰支援センターが実施した
移住希望地ランキングにおいて,上位の時期もありましたが,徐々に関心が薄れたことや,この
ランキングがセンターの利用者のみを対象とした
アンケートに基づくものであるため,県が主な
セミナー会場等をアンテナショップに移したことなどが影響したものと考えております。 一方で,
移住専門誌の
アンケートでは,10年連続で7位以内という評価もあり,調査方法や対象者の違いが様々な結果につながるものと認識しているところであります。 いずれにしても,温暖な気候や子育ての環境など,
本県ならではの魅力を積極的に情報発信し,移住・定住の促進に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,つながりの活用についてでありますが,県民自ら県外に住むつながりのある知人等に岡山の魅力を発信することは,本県への移住に対する関心を高め,不安解消にも大変効果があるものと考えております。 お話の
移住紹介者への
インセンティブまでは考えておりませんが,各地の県人会などと協働した
移住相談会や,
ワーケーションや二地域居住などの取組を通じて,関係人口の創出・拡大を図るとともに,県民の皆様にもSNS等による情報発信に協力を呼びかけるなど,岡山の魅力発信が将来の移住・定住につながるよう工夫して取り組んでまいりたいと存じます。 次に,取組強化についてでありますが,これまで
移住フェアや相談会のほか,首都圏のメディアを対象とした
トップセミナーの開催等,積極的な情報発信に取り組むとともに,市町村が行う空き家等の整備への支援など,
受入れ環境の整備にも努めてきたところであります。 こうした取組に加え,来年度は
ワーケーションに取り組む市町村への支援や,新たなライフスタイルとして注目が集まる二地域居住に関心を持つ方を対象とした
モニターツアーを実施するなど,取組を強化し,市町村等と連携し,将来的な移住につながる関係人口の創出を図りながら,移住・定住の促進に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,建設業への支援についての御質問であります。 建設技術の維持・継承等についてでありますが,地域を支える
社会インフラの整備や災害時の応急対応,復旧・復興を担う建設業において,技術の維持・継承は重要と考えております。 また,
担い手不足に対しては,
関係団体等と連携し,建設業の魅力発信に努めるとともに,ICTの活用や週休2日工事の促進など,安全で働きやすい
環境づくりを進め,若者をはじめとする人材の確保と定着に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君)
土木部長筋野晃司君。 〔
土木部長 筋野晃司君 登壇 〕
◎
土木部長(筋野晃司君) お答えいたします。 建設業への支援についての御質問であります。 まず,
資材価格の推移等についてでありますが,令和4年2月と2年前の令和2年3月を比較すると,鉄骨の主要資材のH形鋼は約38%,木材の主要資材の杉の柱材は約92%上昇しております。生
コンクリートは,地区により違いがあるものの,上昇幅はゼロ~約14%となっております。 県では,定期的に実勢価格を調査し,資材単価の改定を行い,
県発注工事の予定価格に速やかに反映させております。 引き続き,
資材価格の動向を注視し,適正な予定価格の設定に努めてまいります。 次に,価格変動への対応についてでありますが,契約締結後に
資材価格の高騰が工事の
請負代金額に大きな影響を及ぼす場合や,国からの要請により労務や資材の単価を変更できる,いわゆる
特例措置等を講じる場合には,受注者からの申出に基づいた協議を行った上で,
請負代金額を変更することとしております。 これらは,適正な価格での契約とその履行を確保するための取組であると認識しており,引き続き
資材価格等の変動に適切に対応してまいります。 最後に,発注遅延についてでありますが,現在までに
県発注工事における
新型コロナウイルス感染症の影響による発注の遅延は発生しておりません。 引き続き,職員の
感染防止対策に努めるとともに,計画的な発注を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君)
教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 建設業への支援についてのうち,
キャリア教育についてでありますが,
義務教育段階では,総合的な学習の時間等を活用して,様々な仕事についての調べ学習を行ったり,地元の建設業等の企業に協力いただき,職場見学や職場体験を実施することにより,自分の将来を思い描くことができるよう,
キャリア教育の充実に努めているところであります。 さらに,県立高校の
土木系学科や
建築系学科においては,建設業界と連携して建設業に関するイベントへの生徒の参加を促すとともに,現場の魅力を肌で感じることのできる
工事現場見学会等の実施や,建設業の魅力を伝えるハンドブックの活用などにより,技術の習得のみならず,建設業で働くことのやりがいや
社会基盤形成に果たす重要な役割などを生徒に伝えるよう,取り組んでいるところであります。 今後,一層こうした取組の充実を図ることで,生徒が自ら学んだことを将来に生かせる進路選択ができるよう,学校を指導してまいります。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君)
選挙管理委員会委員長大林裕一君。 〔
選挙管理委員会委員長 大林裕一君 登壇 〕
◎
選挙管理委員会委員長(大林裕一君) お答えいたします。
コロナ禍における選挙についての御質問であります。 ミスの件数等についてでありますが,昨年の
衆議院選挙では,
市区町村選管において,1人の選挙人に小選挙区の投票用紙を2枚交付したことが疑われる事例や,選挙人の確認を誤り,本来投票できない投票所で投票させた事例など,5件のミスがあったところであります。 また,
新型コロナウイルス感染症の影響による事例はなかったところであります。 次に,人材育成についてでありますが,お話のとおり,選挙を適正に管理執行するためには,
選挙事務に精通をした人材が必要であります。県選管では,毎年度,市町村の
選挙事務従事者を対象として,選挙運動や投票事務などの概要や法令に関する知識の習得を目的とした研修会を開催しております。 また,県選管が管理執行する選挙の直前には,
市区町村選管に
事務マニュアルを送付するとともに,説明会を開催し,特に注意すべき事項を周知徹底しているところであり,さらに感染症の影響によって生じる新たな課題への対応事例も把握し,
市区町村選管との情報共有を行うなど,引き続き適切な人材育成に努めてまいりたいと考えております。 次に,選挙啓発についてでありますが,感染症の影響により駅前などでの街頭啓発や,高校での選挙出前授業など,県選管が投票日の周知や投票参加の意義を直接呼びかける取組が十分にできないことや,感染に対する不安の解消が重要な課題であると考えております。 このため,昨年の
衆議院選挙では,SNS等によりファジアーノ岡山の選手による啓発動画を配信したほか,セスナ機による広報などの取組を行ったところであります。 また,投票所における感染対策を徹底し,安心して投票できる環境を整え,積極的な投票を呼びかけたところでもあります。 今後とも,他県の事例も参考にしながら工夫を重ね,投票率向上につながる選挙啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,マニュアルの整備等についてでありますが,県選管では,
コロナ禍における選挙において,投・開票所における
感染症対策など,必要な情報提供などを行ってきたところであります。 あらゆる事態を想定したマニュアルを作成することは難しいと考えておりますが,引き続き,事態の状況に応じて必要な情報提供や助言に努めてまいりたいと存じます。 また,選挙の管理執行が困難となる事態に備え,法改正により選挙期日の延期等を定めることについては,国会において適切に判断すべきものと考えており,国への働きかけ等は考えていないところであります。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 16番。 〔 16番 山本雅彦君 登壇 〕
◆16番(山本雅彦君) 御答弁ありがとうございました。 選挙でありますが,投票率のアップ,引き続きどうぞ目指してよろしくお願いいたしますし,公正な選挙でなくてはならない,本当に大切なお仕事だと思いますので,よろしくお願いいたします。 また,建設業育成につきまして,県は大変な配慮をしていただいております。引き続き,倒産して,例えば県北に
建設業者が少なくなる,旧村単位での業者さんがいなくなったら,本当に万が一のときに対応ができない,これは間違いないことですので,よろしくお願いいたします。 今日は国際女性デー,3月8日だということです。上智大学の三浦まり教授ら,地域からジェンダー平等研究会,この団体が都道府県版のジェンダー
ランキング指数を公表されました。今日の山陽新聞1面のトップで大きく報道がございました。今議会でも多くの女性議員の先生方が御活躍です。その
ランキングで岡山県は,政治が20位,行政が8位,教育が5位,経済が23位と報道がございます。さらなる本県での女性の活躍の社会をつくっていかなくてはならないと考えております。 移住・定住に関しまして,女性の役割といいますか,女性に頼ることは必要だと思います。知事の御答弁では,
インセンティブまでは考えていないということでしたけれども,やはり近くの女性を見ましても,女性はカードのポイントの獲得ですとか,スーパーのチラシを見て真剣に少しでもよくなればということを考えていらっしゃいます。恐らく
インセンティブという言葉が出たら,ぴくぴくっと耳を傾けてくださるのではないか,そういうことを考えております。引き続き,移住・定住政策の推進,どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○副議長(
池本敏朗君) 以上で山本君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 6番福田司君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 皆さん,おはようございます。
自由民主党の福田司でございます。 ロシアのウクライナへの侵略は,許されない行為であります。軍事施設にとどまらず,教育機関,そして医療機関までも破壊し,無差別攻撃で多くの貴い命が消えていく現状に大変心が痛みます。血を流す戦いからは,生まれるものは何もありません。犠牲となった方々の御冥福をお祈り申し上げ,即時停戦と対話による平和的な解決を強く求めます。 それでは,通告に従いまして質問させていただきます。
新型コロナウイルス感染症についてですが,この項では,まず最初に,感染によりお亡くなりになられた方々の御冥福と罹患した皆様や後遺症で苦しむ皆様の一日も早い御回復を祈念いたしたいと思います。
まん延防止等重点措置が取られた感染拡大の第6波では,1日1,000人を超える感染者数と第5波までにない勢いのある感染拡大の状況でした。 2月中旬以降,感染者数の増加はやや緩やかになったものの,オミクロン株の実効生産数はデルタ株の4.2倍という推計値も報告されており,感染者の発生状況は予断を許さない状況であります。オミクロン株の性質から見る感染拡大の現状と感染の全体像について,保健福祉部長にお伺いいたします。 第6波の感染拡大でも,県では,1月27日~3月6日の39日間の
まん延防止等重点措置を取りましたが,著しい感染者数の減少には至らず,措置の効果には疑問も感じられます。今回の措置に対する評価を知事にお伺いいたします。 第4波,第5波,第6波における陽性患者の年齢分布や治療経過などは,違う様相を呈し,感染拡大による医療への影響はそれぞれ違います。第5波までは,医療の逼迫にどうにか対応し,乗り越えてきましたが,第6波では,医療機関でのクラスター感染や家族の感染により濃厚接触者と判断されるケースが増え,人手不足に拍車がかかり,医療従事者個々への負担は著しく増加しています。 中でも,妊婦の感染が増え,妊娠37週を経過している妊婦は,感染状況下での出産を踏まえた対応が必要となるため,少ない受皿を四苦八苦しながら運用している状況です。第6波の医療提供体制の現状と課題について,保健福祉部長にお伺いいたします。 様相が違う感染の波に必死で対応し,幾度と乗り越えてきた医療従事者,特に24時間患者のケアに当たる看護師の悲鳴が大きく伝わってきています。 医療の逼迫は,重症者数や病床使用率が指標となっていますが,現場の逼迫感は数値だけでは伝え切れない,なかなか理解していただけないと悲痛な声が寄せられています。 さきに述べたように,第6波では,病院のクラスター感染等で看護師が濃厚接触者となるケースが続出し,今まで以上に人手不足に拍車がかかり,過度な業務負担と連日続く残業の中,ワクチン接種業務への協力などもあり,看護師の疲弊は深刻な状況です。 このような苛酷な状況下で看護師を続けることが,肉体的にも精神的にも厳しいという状況を県はどれだけ理解していただけているのか,悲痛な声がどれだけ届いているでしょうか。ごく一部ですが,実際の声をお伝えさせていただきます。 コロナが落ち着いている時期にも,医療職,特に看護師の移動制限が強いられたままです。世間が経済を回すべく,Go To トラベルなど再開している最中でも,医療職だからという責任のみで制限が課されるのは,ここまで長くなるとつらいところです。人手不足と多忙で疲弊している状況で働く中,医療事故を起こしてしまわないか,大きな不安を抱えています。クラスターで病棟が機能せず,とても苦しいです。陽性者や濃厚接触者が入院患者や看護師,家族に出てしまい,保育園の閉園などもあり,看護師が足りません。一般の病棟,病院でも,コロナ感染を疑う患者との接触があり,常に危険と隣り合わせの状況です。労力と賃金が釣り合った感覚が持てず,仕事のモチベーションが保てません。コロナの影響でがん患者が
終末期を過ごす緩和ケア病棟も閉鎖されてしまい,本来であればその病棟で家族と人生の最期を過ごすことができたのにと思うと,とてもつらく感じます。 まだまだ多くの声を聞いていますが,多くの声に対し,すぐ何か手当てができるものばかりではなく,
新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立つまで,関係団体とともに様々な方法で看護師を支えていかなければなりません。県民の命を最前線で支える看護師の声に対する知事の所見をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君)
自由民主党の福田議員の質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症についての御質問であります。 まず,評価についてでありますが,爆発的な感染拡大の勢いを抑えるためには,取り得る限りの対策を講じなければならないという思いで,国に重点措置の適用を要請したものであります。 適用により,感染リスクの高い飲食の場面を減らすとともに,県民の皆様と危機感を共有することができ,新規陽性者数が減少傾向に転じるなど,一定の効果はあったと考えておりますが,現下のなお厳しい感染状況を踏まえ,引き続き感染再拡大防止に万全を期してまいりたいと存じます。 次に,看護師の声に対する所見についてでありますが,私の下にも「私生活も職場も緊張状態が続いている。長引く感染状況への疲弊と不安がある。」といった多くの切実な声が届いております。 そうした声を心に刻みながら,県看護協会など関係団体とも連携し,この感染症との闘いに全身全霊で取り組んでまいりたいと存じます。 先の見えないコロナとの闘いの中,感染リスクと隣り合わせの厳しい状況下で,専門職としての使命感と強い責任感の下,日夜業務に従事しておられる看護職をはじめとする医療従事者の皆様に厚く御礼を申し上げます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 まず,感染拡大の現状等についてでありますが,ピークアウトはしたものの,依然として保健所や学校,高齢者施設等でクラスターが頻発し,10代以下を中心に新規陽性者数は高止まりし,病床使用率は4割を超える高い水準にとどまっております。 オミクロン株は,感染性が高く,子供も感染しやすくなっているほか,デルタ株と比較して重症化しにくい可能性があるものの,基礎疾患のある方は感染を契機に,基礎疾患が悪化する事例が多いとされております。 このため,保健所や学校,高齢者施設等における感染対策の徹底や,重症化リスクの高い患者への迅速な中和抗体薬等の投与のほか,ワクチン追加接種の勧奨などを行っているところであり,引き続き感染再拡大防止に向け全力を尽くしてまいりたいと存じます。 次に,医療提供体制の現状等についてでありますが,第6波では,医療機関でのクラスターの発生や,濃厚接触者となる職員の増加などにより,一般医療を制限せざるを得ない医療機関もあったと認識しております。 そうした中,感染対策と医療従事者の確保が最も重要な課題であり,県クラスター対策班(OCIT)による院内感染対策への助言・指導のほか,濃厚接触者の待機期間の短縮,抗原検査キットの優先購入,クラスター発生に伴う休止病床に対する国や県の補助制度の周知等を行ってきたところであります。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 御答弁ありがとうございました。 知事,医療従事者に向けて本当に心を寄せたメッセージをいただきまして,ありがとうございます。 やっぱり行政にも寄り添っていただけていると感じることが,現場で働く看護職のみならず,医療従事者の原動力の一つにもなると思いますので,こういったソフト面も大事にしていただけたらと思いますので,引き続きよろしくお願いいたします。 それで,感染拡大の現状等を今お聞かせいただきましたが,今オミクロン株の派生型のBA.2,この型による第7波というのも,かなり今話題に上がってきていますが,県としてはこの第7波についてどのように捉えて備えをなされているか,お聞かせいただけたらと思います。
○副議長(
池本敏朗君) 保健福祉部長。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 第7波への備えということでございますけれども,現在第6波が収束しているとはとても思えないような状況でございまして,依然新規感染者が高止まりの状況でございますし,まだやっぱり入院を必要とされる方は出てきているというような状況でございますので,まずはここからさらに感染者が一気に次の波が来てしまうと,一気に医療が逼迫をしてしまうということがありますので,まずは今,足元の感染の状況をこれ以上大きくしないということが大事だろうと思いますので,第7波に向けてやっていることといえば,現下の感染状況を少しでも小さくするということだと思いますので,先日の県の本部会議でも,県民の皆様方にいろいろ要請等をさせていただきましたけれども,一番は重症化しやすい高齢者施設,あるいは医療機関,そしてそれ以外にも新規陽性者が多い学校,そして飲食の場と,こういったところを中心に引き続き
感染防止対策等を徹底するよう呼びかけていきたいと思っております。
○副議長(池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) ありがとうございました。 引き続き,やっぱり基本的な感染対策というのは,これからも,この先もずっと必要だと思いますので,県民の皆様もそういう習慣づけといいますか,マスクをしたりして大変苦しい状況であったり,ストレスのたまる毎日でありますが,県民の皆様にもしっかりと御協力いただきますよう,議会の場からもお願いを申し上げたいと思います。 そして,医療体制の現状等なんですけれども,一般の病院施設の医療の状況というのは分かりやすいのですが,自宅療養者の増加に伴って在宅の分野での医療的な支援というものがかなりこれからも重要だと思っております。 現段階での在宅での医療の提供状況と課題と感じられているところを教えてください。
○副議長(池本敏朗君) 保健福祉部長。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 自宅療養者への医療提供ということでの現状と課題ということでございますけれども,今回の第6波でもそうですけれども,これまでの波でも同様に基本的に治療が必要な方については,入院をしていただいている。それが基本的には可能というようなのが岡山県内の原則です。 一方で,最近の動きでいえば,中和抗体薬であるとか,飲み薬であるとか,そういったものが新しく薬が出てきましたので,中和抗体薬であれば,1泊入院で点滴だけして,すぐに家に帰っていただく,あるいは当日でも帰っていただくとか,飲み薬であれば,基本的には自宅で飲み薬を飲んで治療するということができるようになってきましたので,基本的に症状がそれほど重くないような方,入院医療が必要でない方には,そういう方も今回の波の中ではいらっしゃったところです。 そういった方々には,基本的には県であれば,県庁から健康観察でお電話させていただくであるとか,そのときに少し症状が出てきているような場合には,入院治療が必要だということで,入院,医療機関の先を調整させていただいて,入院をむしろこちらから御提案申し上げたりだとか,そういったことをした経験がございます。 ですので,今回コロナについては,基本的にお薬が出てきましたので,大分自宅療養の中での治療はしやすくなったわけですけれども,基本的にどういう形で急変するかも分からないような,特に重症化リスクのある方については,自宅療養の途中であっても,入院に切り替えるだとか,そういった臨機応変な対応をさせていただいたところですし,その中でいうと,課題という意味でいえば,自宅療養,1日何回かお電話をさせていただいて健康観察するわけですけれども,特に独居の方だとか,そういった方々の急変時にはなかなか把握しにくいということもあろうかと思いますので,今回の波でもそうでしたけれども,そういった独居の方だとかには,特に手厚く対応させていただいたというところです。
○副議長(池本敏朗君) 次の項目に移ります。 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 強度行動障害についてお伺いいたします。 先日,知的障害者施設で長時間にわたり強度行動障害の入所者を1日20時間以上,外側から施錠した部屋に閉じ込める対応が常態化している実態があることが新聞社の全国調査で判明しています。強度行動障害がある人の多くは,重度の知的障害や自閉症スペクトラムのある人で,障害特性と環境のミスマッチが問題となる行動を引き起こしている状態で,周囲とのコミュニケーションがうまく取れなかったり,置かれた環境が合わないことにより自傷行為や他者への暴力,睡眠障害,異食,過食,多飲,排せつ物を投げたり壁に塗りたくったり,大声や奇声を上げる,生命に危険を及ぼすぐらいの多動など,周囲の人に影響を及ぼす行動が顕著に現れるため,家庭でのかなりの養育努力をしても困難な状態が続き,特別な支援が必要な状態をいいます。 この問題となる行動は,適切な支援により安定します。県でも,強度行動障害支援者養成研修を実施していますが,強度行動障害のある人の支援は難しく,専門的なスキルを持った人材を養成する仕組みは,全国的にも不十分と指摘されています。 この研修で学んだ支援方法を施設での実践に結びつけることで,適切な支援が提供され,問題とされる症状が落ち着き,安定した日常生活へとつなげることが期待されますが,一部の施設から研修受講修了者は増えるものの,現場での実践はできていないとの声も聞いています。 施設側は,適切な支援方法を習得し,入所者の安心と安全を担保した適切な支援を提供しなければなりませんが,なかなか改善に至っていないのが現状ではないでしょうか。 研修受講者が現場で適切な支援の提供ができるように,実地研修を取り入れるなど,強度行動障害支援者養成研修のさらなる充実が必要と考えますが,いかがでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。 また,このたび岡山県自立支援協議会に強度行動障害支援部会が設置されることとなり,諸課題解決に向けて様々な議論や検討が進むことに大きな期待を寄せています。この部会はどのような計画で進められ,運用されていくのか,保健福祉部長にお伺いいたします。
○副議長(池本敏朗君) 答弁を求めます。 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 強度行動障害についての御質問であります。 まず,支援者養成研修についてでありますが,お話の研修受講者が現場での適切な支援を学ぶことが重要であると考えております。 本研修は,国の運営要領に基づき実施しているところでありますが,経験豊富な施設職員による事例紹介等,現場に即した内容を研修に盛り込むなど,実践的な要素も取り入れているところであり,引き続きさらなる研修内容の充実を図ってまいりたいと存じます。 次に,支援部会についてでありますが,強度行動障害の支援に係る現状や課題を把握した上で,より効果的な支援や支援者の負担軽減等について,専門的な協議を行う場としております。 今後の検討内容やスケジュール等については,今月中に開催する1回目の部会で議論していただく予定であり,そこで得られる専門的な意見を施策を生かしてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 研修で学んだ技術,知識をやっぱり現場に持って帰って,しっかりそれが実践できればいいんですけれども,実践ができない現場の環境といいますか,風土といいますか,結構根強いものがあるように私は聞いています。 強度行動障害に対しては,医療的に介入しても,なかなか困難を要するところもありまして,医療的な支援と日常生活支援がうまくかみ合うことで,その人らしい生活が取り戻せていけるといったものなんですけれども,強度行動障害,通常では考えられない問題行動が顕著に現れるんです。本当にこちらに向かってかみついてきたり,排せつ物をこちらに向かって投げてきたり,そういう日々このような現状に直面をしている施設職員は,やはり疲弊してきますし,やっぱり心も病んでくるというか,本当につらい思いをして,そこでいざ実践ということには,なかなかなりづらい傾向もあります。 皆さんも記憶にあると思いますけれども,相模原市の障害者福祉施設で起こった元職員による45人殺傷事件,この背景にはやはり強度行動障害に対する日々の支援の実態というものがあると思っております。 強度行動障害が及ぼす影響は,支援する施設職員にかなり重くのしかかっています。今の研修,実践研修もやっていただいているということなんですけれども,やはり実際の患者さん,臨地実習のような,そういったものもやっていただいて,適切支援が実際の現場での実践に結びつくまで,もう少し行政のお手伝いが必要ではないかと私は考えているんですけれども,一歩踏み込んだ研修体制,これについて検討していただけないでしょうか,御所見をお伺いいたします。
○副議長(池本敏朗君) 保健福祉部長。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 この研修内容について,さらなる充実をということでございます。 今,議員御指摘のとおり,強度行動障害の方々へのケアを,それをふだん接している方々には大変御苦労があるところだと思います。この研修の中でも,先ほど議員御指摘ございました,いわゆる行動障害がある方,固有のコミュニケーションだとか,そういったところがきっかけでああいう事件が起きたりというようなこともありますので,まず基礎的なところではそういったコミュニケーション,どういうコミュニケーションがあるのか,あるいはどういう行動を取り得るパターンが,そういう方々がいらっしゃるのかという基本的なことについて,まず御理解をいただく,特性を理解いただくという研修,それがまず一番最初,大事だと思うんですけれども,その上で実践研修の中で実はそういったことだけでなくて,やっぱり危機対応,逆に言うと,そういった向こうから来られたときに,職員がどうして自分の身を守るかであるとか,逆に言うと,そう言われたら,今度はやり返すという,今度は虐待になってしまうというようなこともありますので,そういうふうにならないようにするのはどうすればいいかとか,少し基本的なことだけではなくて,実際にどうやって職員の身を守るのか,あるいは自分が加害者にならないようにするにはどうすればいいかとか,そういった心構えについても,こういった研修の中に入れ込ませていただいています。 これを単なる机上の学問にするわけにはいけませんので,実際に施設で働いていらっしゃる方に来ていただいて,実際にそういった悩みながら,ふだんケアをされているようなことを直接お話ししていただいて,実際に悩んだときにはこういうふうにして解決すればいいんだということを伝授するという,そういう場としてこの実践研修ということを,岡山県の場合は運用させていただいています。 大事なのは,単なる机上の研修にしないということ,これは議員御指摘のとおりだと思いますので,今後さらにそういった実際に現場で働いている方々の苦労だとか,そういった実践に即したような,現場に即したような,そうしたインプットをこの研修受講者の方々にどのようにすればより響くのかというところについては,しっかり検討させていただいて,より充実した研修にさせていただきたいと思います。
○副議長(池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 実のある研修にしっかりとしていただくということで,よろしくお願いいたします。 支援部会の設置ですけれども,これができること,本当にすごく発展的なことだと思います。割と精神科領域の疾患の中でも,強度行動障害に対する対応等々は,研究も遅れていたり,なかなか実践に結びついていないという現状もあったりなので,施設の問題もなんですけれども,地域で保護者の方とかが大変その対応に苦慮されている状況もあり,そんな中でやはり何か隠されている,表面化されていない問題もたくさんあると思います。ぜひ支援部会の中で,しっかりと地域に潜む課題,それから職員の支援も含めて,いろいろなところに視点を置いて,県内のあらゆる状況を引き出してやっていただきたいと思います。 やりながら,問題を出してきて模索するのも一つなんですが,早急に取り組まないといけない課題もたくさんあると思います。そういった面では,必ずこういう話合いが含まれるとか,具体的にこういうことについて,まずは話合いをしていくという,何か方向性みたいなものはしっかり持っておられるかどうか,お尋ねします。
○副議長(池本敏朗君) 保健福祉部長。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) 再質問にお答えいたします。 この部会についての問題意識ということだと思いますけれども,今議員御指摘のとおり,やはり施設の中だけではなく,地域で,しかも医療的,あるいは福祉的なそれぞれ,あるいは生活という面から見たときに,様々な現状と課題が見えてくるんだろうと思っております。 したがって,この部会においては,医療だとか福祉の関係者のみならず,いわゆる当事者団体であるとか,教育の関係者,あるいは先ほど申し上げましたように,虐待防止という観点からのインプットも含めて,本当に様々な方々にこの部会に入っていただいて,違う角度から,まずは皆さん方が感じていらっしゃる現状と課題について,まずはフリーに出していただこうと思っております。その上で,県としては,そういったそれぞれの現場で働いていらっしゃる方々,あるいは有識者の方々からいただいた意見を踏まえて,それに対して,より効果的な支援だとか,あるいは支援上の困難というのがどういうところにあるのかとか,そういったことを少しかみ砕いて,この部会の中では整理をさせていただいて,施策としてピックアップしてやるべきだという思いがあれば,そういったものを施策につなげていくだとか,あるいはもう少し研究的な要素が必要だということであれば,研究を進めていただくであるだとか,そういったことを,そういう場にしたいと思っておりますし,また違う立場の方が集まっていらっしゃいますので,それぞれ別の角度から見たときの状況について,それぞれ現場の方々にも多角的に見て,問題を共有する場というふうにもなったらいいかなと思っております。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 次の項目に移ります。 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) アドバンス・ケア・プランニングの推進についてお伺いいたします。 県は,「幸福な長寿社会実現事業」として,アドバンス・ケア・プランニング,ACPの推進にも力を入れ,県民一人一人が最期まで自分らしく生き生きと暮らせる環境の整備に取り組んでおられます。最期まで自分らしく,悔いのない人生を送るためには,人生の最終段階での医療や介護の受け方について,元気なうちからしっかり考え,自分の思いを家族や周囲の人に伝えておくことが大切です。 ACPは,「人生会議」との呼び名で,国がその普及に努め,県でも推進していますが,ほとんど認知されていないのが現状です。第3次晴れの国おかやま生き活きプランにおいて,重点施策の中でACPの推進をうたっておられますが,具体的な取組について,保健福祉部長にお伺いいたします。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 アドバンス・ケア・プランニングの推進についての御質問でありますが,人生の最終段階で受けたい医療やケア等について,本人や家族,医療・介護関係者が繰り返し話し合って共有することが大切であると考えております。 今後とも,リーフレット等の資材やマスメディアを活用した広報に加え,パネル展の開催や生命保険会社とのタイアップによる個別アプローチなどの普及啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 縁起を担ぐ日本人は,特にこの死に向かうことについて,話をすることがちょっと縁起でもないというように捉えがちなんですけれども,医療の現場からやはりACPの話のきっかけを持ちかけても,なかなか敬遠されがちで,医療現場でもちょっと困惑している状況というのもあります。どう死に向かい合うのかという話ではなくて,どう自分らしく生き抜くか,人生最期の生き方について,しっかり自分の意思表示をしていく。自分が意思表示ができない状態になっても,自分の道を自分の考えるとおりに進めていく,大事な繰り返しの話合い,計画になるものですので,いろいろリーフレットを使ってということなんですが,機運の醸成にはかなり時間がかかるものとも思っていますけれども,推進に向けて一層積極的な取組をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(
池本敏朗君) 次の項目に移ります。 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 次に,ジェネリック医薬品,後発医薬品の供給不足についてお伺いいたします。 ジェネリック医薬品メーカーの相次ぐ不祥事に対する業務停止命令に伴い,医薬品の供給不足が長期化しています。昨年12月時点では,欠品,出荷停止,出荷調整のため,供給が追いつかず,約3,000品目以上の製品が品薄状況で,医薬品全体の2割を占める薬剤が供給不足となっています。 県内の医療機関や薬局においては,必要な量の医薬品を入手することが困難で,患者の治療への影響が懸念されています。先発医薬品や同じ効能の後発医薬品に変更し対応していますが,薬によっては,薬価に差があり,患者の自己負担が増えるケースや,いつも飲み慣れた薬を変更されたことによる不安の声も出ているほか,副作用の出現や体調の変化など,治療に影響が及んだケースも聞かれます。薬局によって入荷状況に差も出ており,種類によっては入荷が見込めないものも出ています。 本来なら1回の処方で受け取れる薬も,2回に分けて受け取らざるを得ない状況も出ており,影響は広範囲に及んでいます。 こうした状況から,国は昨年12月に都道府県及び業界団体に通知を発出し,在庫の放出や増産対応の協力などを依頼し,安定供給の確保を行いましたが,一部の医薬品においては,処方量を満たすだけの供給量とはなってはいるものの,薬局によって偏在が生じています。過剰な仕入れをやめ,必要最低限の発注を促すなどの対応もなされていますが,今年に入ってからは,医薬品の一部には危機的状況のものもあると聞いております。 全ての医薬品の安定供給には,おおよそ2年かかるとも言われており,現状は深刻です。この国の通知を受け,県では,何らかの対応をされてきたと思いますが,状況の認識と対応について,保健福祉部長にお伺いいたします。 また,昨年6月に国は,後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性確保を図りつつ,2023年度末までに全ての都道府県で後発医薬品の使用率を80%以上とする新たな目標を定め,ジェネリック医薬品の使用を推進してきました。 県の使用割合は,令和3年7月分で全国平均を上回る82.8%の使用率と,後発医薬品使用促進の効果が見られているところでした。 長期化する供給不足に対する県民の不安と負担にも対応しながら,県民に理解と協力を求める必要があると考えますが,保健福祉部長の御所見を併せてお伺いいたします。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 ジェネリック医薬品の供給不足についての御質問でありますが,一部の医療機関等で供給に影響が生じていると認識しており,国の通知を受け,1月に開催したジェネリック医薬品に関する協議会において,医療関係団体や医薬品卸業者,消費者団体等を交え,供給不足に関する情報共有や意見交換を行ったところであります。 また,不安等を感じる県民に対しては,医療機関や薬局で丁寧に対応しているところであり,引き続き医療関係団体に協力を求めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 発達障害児の支援についてお伺いいたします。 障害児一人一人の将来をよりよいものにするためにも,療育の観点はとても重要と考えます。療育の目的は,障害のある子供の発達を促し,日常生活や社会生活を円滑に過ごせるようにすることです。将来社会的に自立した生活を送れるよう,子供の障害の程度や特性に合わせて様々な方法で支援がなされていますが,症状が軽度な発達障害児は,療育の網の目からこぼれ落ち,取り残されがちだとの声も聞きます。 国は,「軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル」を作成しています。その中で,早期に子供の特性に気づき,適切な支援の重要性が記されています。 現在では,発達障害への理解も以前より進み,適正発見と適正支援の体制が確立されてきており,保育現場や教育現場の発達障害児へのアプローチが効果的に行われ,適切な療育につながってきたものの,まだまだ発展途上の段階であると認識しています。 発達障害児の障害の程度は様々で個人差が大きく,必ずしも知的障害を伴うものではありません。障害のある子供の支援の一つに,障害者手帳の交付があります。教育を受けるに当たり,必ずしも必要とされているものではありませんが,子供の将来を考えたとき,障害者手帳の申請も検討される保護者は少なくありません。 障害者手帳には,身体障害者手帳,療育手帳,精神障害者保健福祉手帳の3つがありますが,発達障害児が対象となり得るのは,療育手帳と精神障害者保健福祉手帳です。 療育手帳の交付の判断基準は,知能指数IQがベースとなります。岡山県では,IQ75以下の知的障害のある発達障害児は,療育手帳の対象となります。また,療育手帳の対象とならない場合でも,発達障害の症状とその他の精神神経症状がある場合には,精神障害者保健福祉手帳の対象となります。軽度の発達障害児に対して,精神障害者保健福祉手帳の申請には,抵抗感を示す保護者は少なくありません。 療育手帳交付の判断基準は,自治体によって違います。他県では,IQ89以下の発達障害の診断を受けた者を療育手帳の交付対象としている自治体もあり,居住する地域で差が生じていることに対して,不公平感を訴える声もあります。 療育手帳の交付について,県としてどのように考えているか,保健福祉部長の御所見をお伺いいたします。 IQが判断基準を満たしていない発達障害児は,療育手帳が取得できず,特別支援学校高等部の入学者選抜で知的障害がないため,受検資格が得られないケースが生じているとの御指摘を受けています。 また,軽度の症状の発達障害児が安心して学べる高校等には,県南と県北では差があるとの御指摘もあります。 発達障害児の特性上の理由で,高校等で求められる学力水準を満たさず,卒業できない子供たちが存在しています。知的な数値だけでは測れない困難さを抱えており,中には適応できず不登校やひきこもり状態に陥っている発達障害児も多いことは県も認識されていることと思います。 発達障害児の進路選択肢が少しでも広がり,教育に希望の持てる
環境づくりを目指していただきたいですが,発達障害児の進路選択の現状と課題について,教育長にお伺いいたします。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 発達障害児の支援についての御質問であります。 療育手帳についてでありますが,お話のとおり,その判定基準や発達障害の有無の考慮について,自治体ごとに扱いが異なっているところであります。県としては,居住する地域で不公平感が生じるべきではないと考えており,国に対して,統一した基準を定めるとともに,発達障害の特性を反映した新たな手帳制度の検討を要望しているところでございます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君)
教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) お答えいたします。 進路選択についてでありますが,本県の県立高校においては,発達障害の有無や,その程度にかかわらず,本人の能力や適性に応じて生徒を受け入れており,入学後は特性に応じた合理的配慮の提供に努めているところであります。 また,中学校においては,進路に関する丁寧な懇談を実施することで,発達障害のある生徒一人一人の進学先や高校卒業後の生活を見通した進路指導に努めているところであります。 課題としましては,生徒一人一人の実態を適切に把握し,合理的配慮の提供や進路指導を充実するための教員の専門性の一層の向上が必要と考えております。 そのため,各高校では,特別支援学校のセンター的機能を活用して助言を受けながら,生徒が困ったときに支援を受けられる体制の整備や,教員研修の充実を図っているところであり,引き続き個々の生徒の実態に応じたきめ細かい指導により,生徒が希望を持てる
環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 6番。 〔 6番 福田 司君 登壇 〕
◆6番(福田司君) 御答弁ありがとうございました。 保健福祉部長,新たな手帳の取得も検討ということで,これは全国的にも声が上がっていると私も認識してます。 どういうものになるかというのは,とても大事なことだと思うんですけれども,しっかりと推し進めていっていただきたいと思います。それが保護者への安心感にもつながっていきますし,その御本人の心穏やかにしっかりと学習が進んでいくという状況にもつながっていきますので,よろしくお願いいたします。 それと,教育長,発達障害児の進路選択の幅という視点でしっかりと今後も取り組んでいただきたいと思います。引き続き,夢育という言葉も聞いておりますので,しっかりとやっていただけたらと思いますので,今後とも,よろしくお願いいたします。 以上で終わらせていただきます。
○副議長(
池本敏朗君) 以上で福田君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 次の質問者に移ります。 22番吉田徹君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) 公明党岡山県議団の吉田徹でございます。 冒頭に一言。砲撃の激化に伴うウクライナ避難の方々の数が膨れ上がっております。国際社会において軍事力という強大な力を使った国が優位となり,国際法が意味をなさないものになってはならないことを,国際社会は結束によって示していかなければいけないということを強く訴えさせていただきます。 それでは,本日は4件について通告させていただいております。一問一答の方式でよろしくお願いいたします。 最初に,移住・定住等についてお伺いします。 まず,二地域居住についてお伺いします。 我が会派の代表質問で,「提案理由で示された中長期的な視点,科学的根拠に基づく政策立案,実効性の高い施策など,本県発展への具体的な取組の方向性と,知事査定に込めた思い」を伺いました。 知事は,「第3次プランに基づき,時代の潮流を踏まえながら,将来世代の視点を取り入れるなど,新たな政策手法も活用し,実効性の高い対策を推進してまいります。また,こうした方針の下,予算総括協議会等での議論も踏まえ,EVシフトや二地域居住への対応など,私が一層力を入れたい事業を追加拡充したものであります」と答弁されました。 提案理由で述べられた,「
コロナ禍を契機とした社会の
デジタル化や二地域居住などの新たな時代の潮流に適切に対応していく」ことは,非常に重要であります。 また,全国二地域居住等促進協議会の設立趣旨には,「今般の
新型コロナウイルス感染症を契機として,働き方,生き方,住まい方が大きく変わろうとしている。例えば国民の地方への関心が一層高まっているとともに,ICT技術の進展とも相まってテレワークの導入等の働き方改革がより進展しつつある。このため,今後のウイズコロナ・ポストコロナ社会にあっては,テレワーク等を前提として,地方に就労を含む生活の主な拠点を移し,都市との関わりも副次的に残すという,いわゆる新しい生活様式に沿った新たな二地域居住が可能となり,より二地域居住が進展・拡大することが期待される。」とあります。 これまでの二地域居住からテレワーク等による新しい二地域居住が,新たな時代の潮流になるであろうことは理解しますが,知事の描く二地域居住の推進について,ターゲットやそのライフスタイル等を含め,御所見をお聞かせください。 次に,
移住希望地ランキングについてお伺いいたします。 先ほど山本議員も触れられておりましたが,2月25日の地元紙に
移住希望地ランキングの記事が掲載されておりました。 地方移住を支援する認定NPO法人ふるさと回帰センターが毎年公表するもので,センターへの相談者の中では,静岡県が2年連続首位で,岡山県は21位以下のため
ランキング非公表とのことでした。 この
ランキングは,
ふるさと回帰支援センターへの相談者やセミナー参加者に対する
アンケートを集計したもので,裏づけのあるものと考えます。 岡山県は,希望地
ランキングの上位に位置していた時期もあったと思いますが,岡山県への評価がどのような要因で変遷してきたと分析しているのか,県民生活部長の御所見をお聞かせください。 またあわせて,今後どのようにして
ランキングを上位に回復していくのか,その取組についてお聞かせください。 次に,人口の将来展望についてお伺いします。 前の人口ビジョンでは,「県外転出者が減少するとともに,東京圏等から転入者が増加し,5年後に社会増に転じる。」とされていたものが,改訂版では「国外移動を含む社会増減について,令和7年以降,均衡した状態が保たれる。」とされており,これを達成するため,第2期おかやま創生総合戦略には,社会増減数について外国人を含んで転入超過を目指すものとされております。 私は,社会増減については,問題となっている若年層の転出超過を大学生の県内就職やUターン就職の増加等で均衡を目指すべきと考えます。 若年層の転出超過対策として,どのような取組を行うのでしょうか。また,社会増減については,現在の国内・県内在住者の中で均衡を目指し,外国からの転入によって社会増を達成するという方向で取り込んでいくべきと考えますが,知事の御所見をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 公明党の吉田議員の質問にお答えいたします。 移住・定住等についての御質問であります。 まず,二地域居住についてでありますが,都市部に住みながらも,自然に囲まれた,ゆとりある生活を求める方や,場所を選ばない柔軟な働き方が可能な方などが主なターゲットとなるものと考えております。 また,本県は,温暖な気候で,豊かな自然に囲まれ,海の幸,山の幸も豊富で,趣のある温泉もあり,また移動しやすい交通環境にあるなど,二地域居住における様々なニーズを十分満たすものと考えております。 このため,こうした魅力を知っていただくことが重要であることから,来年度は,岡山の魅力を実感してもらう
モニターツアーを実施するなど,積極的に情報発信を行い,二地域居住の推進に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,若年層の転出対策等についてでありますが,第2期創生戦略では,社会減対策として移住・定住のさらなる促進を図るほか,グローバル化の進展などを踏まえ,外国人材の活躍推進等に取り組むこととしておりますが,進学や就職を契機とした若者の県外流出が社会減の主な原因となっていることから,若者の還流・定着を重点的に進めることとしております。 このため,来年度においては,合同企業説明会の開催や,インターンシップの促進などに引き続き取り組むとともに,県内企業の若手社員が学生の就活に関する相談に対応する,「岡山就活サポーター」制度を新たに導入するなど,県内外の若者の還流・定着対策をしっかりと進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 県民生活部長那須信行君。 〔 県民生活部長 那須信行君 登壇 〕
◎県民生活部長(那須信行君) お答えいたします。
移住希望地ランキングについてでありますが,本県が地震の少ない地域であることなどが注目され,
ふるさと回帰支援センターが実施した
移住希望地ランキングにおいて上位の時期もありましたが,徐々に関心が薄れたことや,この
ランキングがセンターの利用者のみを対象とした
アンケートに基づくものであるため,県が主な
セミナー会場等をアンテナショップに移したことなどが影響したものと考えております。 一方で,
移住専門誌が実施している
アンケートでは,10年連続で7位以内という評価もあるなど,調査方法等により結果も様々であると認識したところであります。 いずれにしても,
ワーケーションの推進など,新たな取組も行いながら,本県の優れた点や魅力を積極的に情報発信し,移住・定住の促進に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) ありがとうございました。 二地域居住の考え方なんですけれども,二地域ということで,1つは県内ですね,1か所は,ここに生活の本拠を移していただく。そして,もう一方の働く場ですね,こちらは日本国内で首都圏なのか,関西圏も含むのか,その辺のところはどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 二地域のうち,必ず一方は岡山にないと,我々が推進する二地域居住にならないわけですけれども,そのもう一方はどう考えているのかということでありますけれども,我々でえり好みをする必要はございません。とにかく,それがもう一方が関東であろうが関西であろうが,どこであっても,我々とすれば大歓迎なわけでありまして,ただいろいろなキャンペーンをするに当たって,効率性ということを考えた場合,首都圏,とにかく東京一極集中がいろんな悪いことのもとになってしまっていますので,そこをほぐすという意味でも,首都圏が当面のターゲットになってくるわけでありますけれども,みんなが集まっている首都圏から岡山に片足置いて住んでみよう,意外とよかったなということになれば,これは当然ながら関西圏ですとか中京圏の方にとっても,応用可能な施策になるわけでありまして,ぜひ取りあえず,まずやってみて,反応に応じて施策を発展させていきたいと思います。
○副議長(
池本敏朗君) 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) ありがとうございました。まずは首都圏からというようなお話がございました。 次に,3月1日から22年度卒業生の就職活動が始まっております。
コロナ禍での就職活動という中で,学生さんにとって大変厳しい状況が続いておるわけでございます。 この
コロナ禍を踏まえ,学生が発熱や自宅待機など,やむを得ない理由によって面接とか就職試験に参加できないというようなケースも考えられると思いますので,岡山県内での就職活動に取り組んでいる学生さんがそういう心配をしなくてもいいように,再試験等の配慮をしっかりと県内の企業に要請をしていただけたらと思いますし,また県内就職を目指す学生さんに強くアピールをしていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
○副議長(
池本敏朗君) 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 就職の面接で発熱が起きたときにも,ぜひよろしくお願いしますというかなり細かいというか,限定された要請を改めてするかどうかは別でありますけれども,毎年,経済団体に対して就職ということに関して,いろいろなお願いをし,またそのうちの幾つかの数字については,我々としても測定をさせていただいて,少しでも改善をしたいと思っているところです。 先ほどの就職のいろいろな面接ですとかの過程において,学生は学生で,学生の本分として勉強ですとかいろいろあります。学校での行事とぶつかってしまった,もしくは自分の体調が優れないですとか,そういうときにちょっと融通を利かせるというのは,企業にとってもその学生,非常に興味がある場合であれば,ぜひ融通を利かせたほうが得になるわけでありまして,特にそれがオンラインでやる場合には,お互い融通が利かせやすいということで,ここは本当に企業にとっても,そういう心のゆとりがあるか,もしくは業務をフレキシブルに融通を利かせられる能力があるのか,そういったことが大事なのかなと思っています。岡山県の企業ができる限り能力があってやる気のある学生が採れるように,これからもぜひ応援をしていきたいと思っています。
○副議長(
池本敏朗君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) ありがとうございました。 次に,防災・減災対策についてお伺いいたします。 まず,高潮浸水想定についてですが,本年1月,岡山沿岸高潮浸水想定区域図及びその解説書が公表されました。 それによりますと,「想定し得る最大規模の高潮による氾濫が発生した場合に想定される浸水の危険性について,広く一般に周知し,高潮時における円滑かつ迅速な避難の確保を図るなど,「防災対策」に役立てていただくことを目的に作成したものです。」とされ,県南沿岸の平野部の浸水の深さや震災の継続時間が示されております。 岡山県庁は,浸水を免れるものの,岡山市の本庁舎や各区役所は0.7メートル~2.5メートル,倉敷市役所は0.5メートル,早島町役場は2メートル浸水し,倉敷市役所や早島町役場は1週間程度浸水が続くというものです。 解説書によりますと,今後の取組について,「県では,区域図に関する必要な情報を関係市町村に提供し,高潮ハザードマップの作成を促進します。」とのことですが,浸水想定区域に住む県民はどのように対応すればよいのでしょうか。今回示された浸水想定はどのような条件の場合に発生するおそれがあるのでしょうか,
土木部長にお聞きします。 また,今回の高潮浸水想定を反映した岡山県地域防災計画の修正はどのように行われ,市町村の地域防災計画や避難誘導体制は,どのような対応になるのでしょうか。また,計画等が見直される前の当面の対応として,市町村に今回の浸水想定を踏まえた避難の在り方を示す必要があると思いますが,併せて危機管理監の御所見をお聞かせください。 次に,災害ケースマネジメントについてお伺いします。 大災害に直面した被災者が抱える,住まいや生活,就労などをめぐる複合的な悩みに対し,弁護士や建築士などとも連携して,伴走型で生活再建を後押しする,「災害ケースマネジメント」が注目を集めているとのことです。 鳥取県では,災害ケースマネジメントを県内全域で展開できるよう,平時から取り組むため,県災害福祉支援センターを設立し,各市町村と連携して,体制整備を進めているとのことです。 災害時だけの特別な取組として備えるのではなく,平時から他機関連携,官民協働での仕組みづくりについて地域防災計画等に位置づける必要があると考えますが,災害ケースマネジメントの認識と併せて保健福祉部長の御所見をお聞かせください。 次に,都道府県独自の被災者生活再建支援制度についてお伺いします。 国の調査資料によりますと,26都道府県において恒久的制度として,最大300万円を支給する被災者生活再建支援制度が創設されているとのことです。 本県においては,令和元年に新見市集中豪雨災害被害者生活再建支援事業補助金として,個別対応措置を行っておりますが,
県内市町村と協議して恒久的制度として創設することを提案いたします。知事の御所見をお聞かせください。 次に,岡山県防災対策基本条例の改正についてお伺いします。 平成20年3月に制定された岡山県防災対策基本条例は,法令改正による用語の修正等は行われておりますが,大幅な見直しは行われておりません。 平成30年7月豪雨からの復旧・復興に関わった多くの方々の御意見を掌握し,国が公表する災害ケースマネジメントの考え方も踏まえ,条例の改正を提案いたします。知事の御所見をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) お答えいたします。 防災・減災対策についての御質問であります。 まず,被災者生活再建支援制度についてでありますが,お話の新見市集中豪雨災害への財政支援は,被害状況や新見市の対応などを総合的に勘案し,実施したものであります。 国の支援制度が適用されない災害では,市町村の対応等を踏まえて柔軟に検討する必要があり,恒久的な制度の創設は考えておりませんが,今後とも,被害状況や市町村のニーズに応じて迅速かつ適切に支援してまいりたいと存じます。 次に,防災対策基本条例についてでありますが,先般,県では,国の防災基本計画の修正を踏まえ,被災者の生活再建支援の手法である,災害ケースマネジメントの考え方を盛り込んだ,県地域防災計画の見直しを行ったところであります。 このため,防災対策の基本理念を定めた防災対策基本条例の改正は考えておりませんが,今後とも,大規模災害における事例を踏まえ,地域防災力の強化に取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君)
土木部長筋野晃司君。 〔
土木部長 筋野晃司君 登壇 〕
◎
土木部長(筋野晃司君) お答えいたします。 高潮浸水想定のうち,発生する条件についてでありますが,今回公表した区域図は,国が定めた手引に基づき,過去に襲来した国内最大規模の台風である室戸台風等が大潮の時期の満潮時に本県を通過するような状況等を前提とし,また海岸や河川の堤防は潮位や水位が設計上の基準を超えると決壊してしまう等の条件も加えて作成しております。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 危機管理監塩出則夫君。 〔 危機管理監 塩出則夫君 登壇 〕
◎危機管理監(塩出則夫君) お答えいたします。 高潮浸水想定のうち,県地域防災計画等についてでありますが,県では,県計画に盛り込んでいる海岸防災対策に基づき,浸水想定区域図を公表したところであり,関係市町においては,必要に応じて,市町村地域防災計画や避難誘導体制の見直しが行われるものと承知しております。 また,関係市町に対し,浸水想定区域図に基づいて避難場所,避難経路などの点検,住民への災害リスクの周知等を助言し,住民の適切な避難が確保されるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。 災害ケースマネジメントについてでありますが,被災世帯ごとの実情やニーズに応じ,様々な専門家がきめ細かな支援を行うものと承知しており,被災者が一日も早く安心で自立的な暮らしを取り戻すための有効な手法であると考えております。 また,平成30年7月豪雨災害では,災害ケースマネジメントの手法による被災者の生活再建支援に取り組んでおり,お話の地域防災計画への位置づけについては,こうした取組の成果や課題を踏まえ,市町村の意見も伺いながら,今後検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) 御答弁ありがとうございました。 まず,御答弁の中で平成27年5月に水防法が改正に伴い創設された制度であるというようなことの御答弁をいただいたわけでございますけれども,水防法が27年5月に改正されて,こういうことを公表しなさいという話の中で,6年,7年ぐらいがたっているわけでございます。その間,高潮対策であるとか,津波対策であるとか,いろいろな形で護岸のかさ上げ工事等が行われてきたと思うんですけれども,今回の浸水想定と最近行われておられるかさ上げ工事等の関係につきまして,この浸水想定を踏まえているものなのかどうなのか,その辺のところをお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君)
土木部長。 〔
土木部長 筋野晃司君 登壇 〕
◎
土木部長(筋野晃司君) 再質問にお答えいたします。 現在,実施されている海岸とかの堤防のかさ上げ工事が,この今回の被害想定等と比較してどのような状況かという御質問かと思いますが,現在行っている工事については,段階的に安全度を向上させるということで,将来の目標としてはこういう今回公表したような想定最大規模のものも視野には入ってくるのかとは思いますけれど,現在は段階的に全体の治水安全度は向上しているという状況でございます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) ありがとうございました。 安全対策ですね,しっかりと行っていく必要があると思いますので,引き続き土木部におかれましてはよろしくお願いいたします。 次に,被災者救援支援制度ですけれども,国の防災関係の資料を見ておりますと,大規模な災害は法律に基づいて国の制度で行い,また基準に満たないものは,地方公共団体が支援を行い,国は一定の交付税措置を行うとの考え方が示されております。私も被災家屋が多かったり少なかったりするということで,全壊にもかかわらず支援が受けられないということは,本当に被害に遭った方は厳しい状況に置かれると思います。先ほどケース・バイ・ケースで市町村の動き,考え方等というような御答弁もいただきましたけれども,各市町村と連携をして御相談していただいて,恒久的制度として創設する必要がやはりあるのではないかと考えるのですけれども,繰り返しになるかもしれませんが,もう一度知事の御答弁をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 恒久的制度がやはり必要なのではないかということでありますけれども,恒久的な制度がなくても,迅速にこれまで対応できていたところです。また,恒久的制度があれば,必ず迅速に進むのかということでありますけれども,恒久的制度がある場合には,自動的に適用すると物すごいことになってしまう,その線引きをどうするのかということで,適用するものにするのか,しないものにするのか,そこで時間がかかりかねないということもございます。私自身,これからどういった災害があるか分かりませんけれども,その災害のケースに応じて,これからも迅速かつ適切に支援をしていく所存です。
○副議長(
池本敏朗君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君) 次に,国立公園の活用についてお伺いします。 まず,国立公園満喫プロジェクトについてお伺いいたします。 環境省は,世界水準の「ナショナルパーク」を実現し,国立公園の保護と利用の好循環により地域活性化を図ることを目的として,国立公園満喫プロジェクト等推進事業に大きな予算づけを行っております。 事業目的として,日本の国立公園のブランド力を高め,国内外の誘客を促進するとともに,利用者数だけでなく,滞在時間を延ばし,自然を満喫できる上質なツーリズムを実現する。地域の様々な主体が協働し,地域の経済社会を活性化させ,自然環境の保全へ再投資される好循環を生み出すとしております。 国立公園訪日外国人利用者数は,2019年に約667万人まで増加しましたが,
新型コロナウイルス感染症の影響により,国内外の観光客が大幅に減少し,国立公園の観光地では大きな打撃が生じております。 これを踏まえ,改正自然公園法を活用しつつ,自治体,民間団体等との連携を促進し,
ワーケーション等の新たな利用の推進による国内利用者の早期回復,
受入れ環境向上とインバウンドの段階的回復に向けた取組や,国立公園の魅力向上を図る多彩なプログラムが可能となっております。 国は,国立公園全体で国内外の利用者復活とさらなる誘客に向けて取り組むとともに,これまでのプロジェクト成果を生かして,他の地域へ水平展開を進めることとしております。 本県においても,関係市町村等と連携して国立公園満喫プロジェクト推進の取組を提案いたしますが,環境文化部長の御所見をお聞かせください。 次に,瀬戸内海国立公園指定90周年についてお伺いします。 昭和9年3月16日に,備讃瀬戸地域を中心とした海とそこに浮かぶ島々,そしてこれらを展望する沿岸の山などが我が国最初の国立公園として,雲仙・霧島とともに指定されました。 その後,昭和25年の第1次拡張,昭和31年の第2次拡張など,数次の公園区域の変更を経て,現在では1府10県にまたがっている海域を含めると,90万ヘクタールを超える我が国最大の国立公園となっているそうです。 環境庁で,長く全国の国立公園の管理に携わった西田正憲氏の著書「瀬戸内海の発展」には,我が国の国立公園制度を創設し,国立公園の父とたたえられる田村剛氏は,鷲羽山から展望する備讃瀬戸の多島海景を発見して,これこそが新しく生まれる国立公園にふさわしいと考えた。瀬戸内海の多島海景を観賞するには,船ではなく,陸の展望地こそが重要だと考えるようになったと記述されております。 国立公園での
ワーケーションや自然体験の推進等により,ライフスタイル変革と地域活性化の取組を広く情報発信することを目的として,国や関係自治体と連携して令和6年に指定90周年を迎える瀬戸内海国立公園の記念事業の展開と,情報発信に広く取り組むべきと考えますが,知事の御所見をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) お答えいたします。 国立公園の活用についての御質問であります。 瀬戸内海国立公園指定90周年についてでありますが,これまで50周年以降は10年ごとに,国や関係する県などが中心となった記念行事が実施されてきたところであります。 令和6年,2024年に迎える90周年につきましては,これまでの経緯なども踏まえ,今後,記念式典の開催や関連情報の発信等について,国や関係自治体等と連携しながら検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 環境文化部長佐藤将男君。 〔 環境文化部長 佐藤将男君 登壇 〕
◎環境文化部長(佐藤将男君) お答えいたします。 国立公園満喫プロジェクトについてでありますが,国においては全国で8か所の国立公園を選定して,誘客促進を図っているところですが,来月から施行される改正自然公園法において,地域の主体的な取組を促す制度を新たに設けることなどにより,今後,他の国立公園等への水平展開を図ることとしております。 県では,取組の主体として想定されている市町村に対し,制度の周知や広域的観点からの助言等に努めるなど,国立公園のさらなる魅力向上や利用促進を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 22番。 〔 22番 吉田 徹君 登壇 〕
◆22番(吉田徹君)
新型コロナウイルス感染症について,数点お伺いいたします。
新型コロナウイルスに感染後,一定期間が過ぎて検査で陰性となってからも,倦怠感や嗅覚障害など,後遺症に悩まされている人がおられます。 中には,1年以上たっても体調不良が続き,仕事に復帰できないケースもあるとのことです。 広島県が2月24日に公表した調査結果によれば,感染時の症状が療養解除後も4週間以上続いたり,療養解除後,4週間以内に生じた症状が4週間以上継続した人は,全体の34%に上ったそうです。 具体的な症状としては,倦怠感が52%で最も多く,息切れ,息苦しさ,嗅覚聴覚,味覚障害,抜け毛と続くそうです。 また,国立国際医療研究センターによると,感染者の1割に1年後も症状が残るとのことです。 さきの代表質問では,「後遺症対策について相談があった場合には,必要に応じてかかりつけ医等から岡山大学病院の専門外来を紹介している」との答弁でしたが,静岡県の行った調査では,コロナ後,後遺症の症状があったにもかかわらず,医療機関を受診しなかった人々の半数が,「受診先が分からなかった」と答えているそうです。 本県においても,
新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しんでおられる方や,感染後の体調不良を後遺症と認識していない方も一定程度おられることが推察されます。 後遺症の症状や後遺症かなと思ったら,相談できる窓口等の一層の周知が必要と考えますが,対応について,保健福祉部長の御所見をお聞かせください。 次に,ワクチン接種についてお伺いいたします。 2月23日の全国紙に,
厚生労働省ホームページなどから未成年接種を考えるとの全面意見広告が掲載されました。 意見広告によりますと,未成年者のワクチン接種後,重篤者387名,後遺症8人,死亡者5人との記載や,ワクチン接種後の1,444人の死亡者について,ワクチン接種との因果関係が示唆されるのではないかとの内容です。 このような広告を見て,12歳未満の子供に対するワクチン接種について,不安や懸念を感じる方々も少なからず存在すると思われます。 3月14日の週を目途に,5歳~11歳の小児へのワクチン接種が始まるとのことですが,不安や懸念を感じる方々に対して,丁寧な説明や正しい情報の提供が必要と考えます。 意見広告にある未成年者のワクチン接種後の状況や,ワクチン接種後の死亡者に関する内容について,保健福祉部長の御所見をお聞かせください。あわせて,小児へのワクチン接種の必要性についても考えをお聞かせください。 最後に,原因不明の症状等への対応についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症やワクチン接種の後に,様々な体調の異変を感じる方がおられるのは当然のことと考えます。しかしながら,例えばワクチン接種をした直後に原因の分からない重い症状の疾患を発病した場合,当事者とすればワクチン接種との因果関係を疑うことは,当然の成り行きと考えます。 それが難病であった場合など,医療機関を受診してもワクチン接種との因果関係は分からないし,治療法も分からないでは途方に暮れてしまいます。 後遺症や副反応,因果関係が明らかでない接種後の症状などに苦しむ人に対しては,寄り添った対応が必要と考えます。後遺症や副反応ではないと診断された方々についても,疾病の診断や治療に結びつける取組が必要と考えます。保健福祉部長の御所見をお聞かせください。
○副議長(
池本敏朗君) 答弁を求めます。 保健福祉部長西嶋康浩君。 〔 保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症についての御質問であります。 まず,後遺症の症状等の周知についてでありますが,各保健所では療養期間中だけでなく,療養期間終了後も体調不良等の健康相談に応じているところであります。 また,必要に応じて,かかりつけ医等の受診を案内するほか,岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来の情報提供を行っているところであり,今後,後遺症の症状やこうした取組についてホームページ等で広く周知を図ってまいりたいと存じます。 次に,意見広告内容への所見等についてでありますが,県では,約21万回の未成年者への接種のうち,13件の副反応疑い報告が国になされております。 死亡例について,現時点では,国が接種との因果関係があるとしたものはありませんが,県では,26件が報告され,全て65歳以上の高齢者で,大部分が基礎疾患等をお持ちの方であります。 また,小児への接種については,国において,特に重症化リスクの高い基礎疾患を有する方が,かかりつけ医などと相談の上で接種をすることを推奨していることから,引き続き正しい情報の発信に努めながら,希望される方が安心して接種できる環境を整備してまいりたいと存じます。 次に,原因不明の症状等への対応についてでありますが,後遺症は岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来が,ワクチンの副反応が疑われる場合は,複数の専門的な医療機関がかかりつけ医等と連携して対応しているところであります。 原因不明の症状などについても,それぞれの専門の診療科に引き継ぐなど,適切な対応がなされているところであり,引き続き症状に応じた医療提供体制の整備に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(
池本敏朗君) 以上で吉田君の質問は終了いたしました。 答弁者は自席にお戻りください。 この際,午後1時20分まで休憩いたします。 午後0時15分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時20分再開
○議長(神宝謙一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 24番木口京子君。 〔 24番 木口京子君 登壇 〕
◆24番(木口京子君)
自由民主党の木口京子でございます。 午前中に山本議員からも発言がございましたが,今日,3月8日は国際女性デーです。20世紀初頭に北米やヨーロッパ全域で広がった労働運動から始まりましたが,第1次世界大戦時にはロシアの女性が平和運動の一環として記念行事を行い,ヨーロッパ諸国で女性が戦争に反対し,連帯を表明するための集会を開きました。 2月24日に始まったロシアによる武力によるウクライナへの侵略は,決して許されるものではなく,力による一方的な現状変更を認めないとの国際秩序の根幹を揺るがすものであり,決して認めることはできません。 改めて,私たちはあらゆる場面で絶対に許さないという決意を表したいと思います。 それでは,質問に入ります。 まず,米についてお尋ねいたします。 政府の2022年度予算案が衆議院を通過しました。国会審議は序盤から米政策が取り上げられ,農政での論戦も目立ちました。 農林水産省は,2022年産の主食用米の作付転換をめぐり,飼料用米以外で取り組むよう促しており,特に麦,大豆や野菜など,定着性や収益性の高い作物への転換を強く訴えています。 背景には,需要減が続く主食用米に回帰するのを防ぐ狙いの一方,転作助成の予算が膨らむことに対する危機感があるようです。 主食用米の転作助成の柱である水田活用の直接支払交付金で,政府は,2022年から26年産で一度も水稲作付ていない農地を直接支払交付金の対象外とする方針を示しました。 また,複数年契約で飼料用米を生産する場合,10アール当たり1万2,000円を助成してきていた措置は,今後,既存の契約分だけ10アール当たり6,000円を支払い,22年産からの新規契約分は対象外としました。 国の政策に従って,米の作付転作を進めてきた農家ほど影響の大きい急激な政策転換であり,現場では怒りや不安の声が聞こえてきます。 先日の本山議員の一般質問での答弁にあったとおり,このたびの政策変更について丁寧に説明を重ねていただきたいと思います。 昨年9月議会の一般質問において,これからの米作りについてお尋ねした際に,知事は「県では,主食用米の需要が減少する中,農業者の経営安定を図るため,国の交付金を活用しながら,野菜や果樹等の収益性の高い作物への転換や,飼料用米,麦等の作付に取り組むとともに,認定農業者や集落営農組織の育成に努めてきた。今後とも,こうした取組を継続し,本県の水田農業の持続的発展に向けてしっかり取り組んでまいりたい。」と答弁されました。 米の消費が減り続ける中,水田から畑地化へ,主食用米からほかの作物へと誘導されることは,限られた財源を有効に使うためには仕方がないことだと思います。 私も9月議会において,飼料用米やWCSの栽培と放牧の耕畜連携の取組を求めました。 一方で,先祖代々の土地で米を作り続けることを望む人たちの思いにも共感する自分がいます。 米と稲作は,どの時代にも社会の中で何らかの役割を与えられてきました。 食糧としての重要性はもちろん,国土をつくり,制度を整備し,芸術や文化を高め,技術を発展させるなど,日本をつくる上でも欠かせない役割を果たしてきました。 また,現在私たちは,好きなものを好きなときに好きなだけ食べられるということに慣れていますが,これも奇跡にも近い幸せなことです。
コロナ禍や不安定な国際情勢で明らかなように,食料品の価格は,長い目で見れば今後確実に上がっていくと言われています。 中国やインドなどの超大国が経済発展をする中で,日本は自らが必要とするものを世界中から買い付けてくる経済力を近い将来失うとも言われています。 最低限必要な食糧を確保する方策が必要にもかかわらず,地方の食糧生産力は低下し,担い手は減少し続けていますし,地球温暖化の深刻化や農業所得の伸び悩みなどの課題を考えると,まずは関係者が現状の認識を共有し,今後の米作りや地域の将来を考えるために話し合うことからしか始まらないのではないかと思います。 米について,また米をめぐる政策について,知事の感じることやお考えをお尋ねします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君)
自由民主党の木口議員の質問にお答えいたします。 米についての御質問でありますが,米は国民の主食であるとともに,おむすび,すし,和菓子や日本酒など,食文化の基礎となっており,豊作への感謝と祈りが祭りの起源とされるなど,歴史的に見ても日本人の暮らしや文化と密接不可分なものと認識しております。 一方で,国民の食生活の変化や人口減少に伴って,毎年需要量が減少する現状を踏まえれば,国全体として,作付転換を進めることはやむを得ないことではありますが,生活に不可欠な米の重要性に鑑み,持続可能な水田農業の将来展望について,国民的な理解を得ることが重要であると考えております。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 24番。 〔 24番 木口京子君 登壇 〕
◆24番(木口京子君) 知事ありがとうございます。 お米の確かに私たちの文化的な意義というものも共通の理解をしてくださっていて,本当にそうだと思いますが,例えば今回こういう中で,今回の議会でもそうですが,米に対しては様々な立場で様々な議論が行われてまいりました。 お米は,今おっしゃったような文化的なものを持ちながらも,食糧としてのお米の立場だけになってしまっている面もあるんだと思います。 全国農業協同組合中央会の方針では,中長期ビジョンをつくっていかれると,その中でも中長期的な取組として,農業者やJAや行政などが一体で産地交付金の基になる水田収益力強化ビジョンを,人・農地プランやJAの地域農業振興計画,これも久々につくることをJAも決められましたが,などと関連づけながら策定して推進していきたいという方向を示されております。 県としては,その中央会,JAと一緒になりながら地域の皆さんとしっかり話をすることを,私は今最初の質問でお願いしましたが,やはりそこに中心的にしっかり加わっていただきたいと思いますし,加えて生産,消費が減る中といえども,やはり頑張っている地域もございまして,新潟県などはそもそも消費をとにかく回復したいということで,SNSを使って例えば漫画とかで,朝遅刻しそうになる女の子がくわえているのがパンだということで,みんながパンを思うんであれば,そこにおむすびを加えたものをつくっていこうとか,県の職員が一生懸命考えられておりますし,あとは千葉県では,学校給食に有機米をということで,生産者の有機米を作っていただきながら,出口として学校給食にということで,しかもそれは有機だから親御さんも喜ばれるしということで,いすみ市とか木更津市では取組も始めております。 そしてまた,獺祭では,獺祭の自分のところのお米の品質を上げたいと,酒米にふさわしい品質を上げたいということで,コンテストを開催されておりまして,今回岡山県の獺祭のお米を作っていらっしゃるところがそのコンテストで優勝されました。そんなふうに,地域の競争力,産地の競争力,意識を高めるというようなことも含めて,皆さんお米に対して何かできないかということで盛り上げていこうとされておりますので,そのあたり,できることもしっかりやっていただきたいと思いますが,そういう取組も含めてもう一度お考えをお聞かせください。
○議長(神宝謙一君) 知事。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 自然に任せていると,以前のようなお米の需要がないと,ただ供給に関しては,かなりまだ供給が残っている,このギャップがいろいろな問題を引き起こしております。このギャップを小さくするためのやり方,いろいろありまして,その供給を少し作付転換をするなどして,お米自体の供給を減らしていくということが今,国においてなされていますし,需要を増やすという取組も,先ほど議員によって幾つか紹介をしていただいたわけでございます。 こういった工夫というのは,いろいろなことが考えられるわけでありまして,私自身は米粉を,岡山でもお米を使って麺を作るという,米粉麺ですとか,米粉パンですとか,特に米粉麺は非常においしいものだなという印象を持っておりますけれども,そういったいろいろな工夫はこれからも非常に大事なのではないかなと思っているところでございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 24番。 〔 24番 木口京子君 登壇 〕
◆24番(木口京子君) ぜひしっかりと頑張っていただければと思います。それも一つのやるべきことだと思います。ありがとうございます。 次に,新規就農についてお尋ねいたします。 岡山県では,県内で就農を希望する55歳未満の方を対象に,農家生活を体験する「農業体験研修」と就農に向けた実践的な研修を受ける「農業実務研修」の2段階の研修で,農家出身でない方もプロ農家になれるよう産地が一体となって支援をしています。 まずは,県内外での相談会や新規就農相談窓口等での個別相談にいらっしゃる方と,就農後の生活や栽培品目について検討し,研修申込地域や品目を絞り込み,就農候補の市町村を訪問,その後,岡山県独自の制度である1か月間の農業体験研修を行います。そして,本格的に就農を決めた場合,就農後5年目までの経営プラン等を記載する研修計画を作成し,研修受入れ機関等に研修を申込み,承認された後には,2年以内の農業実務研修に入ります。 この間,年間150万円程度の研修費が支給され,先進農家等での農業技術の習得,三徳園や農業大学校など,県の研修機関や各種講習会での基礎知識の習得,地域の農家等との交流による信頼関係づくりの期間を経て,本格的な就農となります。 平成23年~令和2年の間の研修による新規就農者数は,農業体験研修修了者251名,農業実務研修開始者231名,新規就農者数215名,研修中の方を除いた就農率は95%,就農した方のうち,令和2年3月時点で農業経営を継続している方は99%であり,高い実績を誇っています。 研修による新規就農者の作目を見ると,ブドウや桃や梨などの果樹が216名,トマト,ナス,有機野菜などの野菜が114名,スイートピー,リンドウなどの花卉が22名,その他の水稲や特用作物が9名となっています。 市町村の「確保計画」による産地の状況や就農後の経営を考慮して,岡山県の場合は,果樹への就農が多くなるようです。 そこで,それぞれ農林水産部長にお伺いいたします。 国は,2022年度から新規就農者の支援体制を強化する事業も新たに設けるとされており,県が就農相談や経営支援を行う体制も整備するとされていますが,これまでの県の取組との関連はどのようになるのでしょうか。また,国では,農業大学校や農業高校などにおける農業機械・設備の導入や海外研修費用の支援,スマート農業や環境配慮型農業などの教育課程の強化を後押しするなど,農業教育の充実をサポートされているようですが,県としてのお考えをお聞かせください。 実際に就農した方のお話を伺うと,「就農したいと思い,自治体の窓口に行ったところ,幾つか土地を紹介されたが,いずれも開墾から始めなければいけないような不適地だった。困っていたところ,たまたま知っている農家さんから紹介されて農地を借りることができた。」。また,「自分はズッキーニとアスパラを作りたいと思っていたが,受入先の農家がなく,露地野菜の農家さんで研修をしている。栽培技術の習得については,共通することも多く満足しているが,露地野菜の受入先の農家も少ないのが現状だ。」。「三徳園での研修で高額な機械を紹介されても,これから就農しようとする身にとっては不安になる。自分のやりたい経営とは異なるし,共同利用を勧められても簡単ではない。研修先の農家さんで,大規模ではなくても,既存の機械を活用するなどの工夫によって十分経営が成り立つことを学ぶことができてほっとしている。」とか,「退職後ミカンを栽培したいと相談に行ったが,ミカンを教える人がいないと言われて,あちこち訪ねてみたが諦めた。」というような声があります。 農業者のニーズと政策意図との間にずれがあるようにも思いますが,このような声をどのように受け取り,課題をどう捉えるか,農林水産部長のお考えをお尋ねします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。 農林水産部長槙尾俊之君。 〔 農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。 新規就農についての御質問であります。 まず,支援体制の強化についてでありますが,新たな国の事業においては,これまでの支援メニューに加えて,就農後の経営発展のための初期投資を支援する事業が創設されることから,こうした事業を十分に活用し,新規就農者の早期の経営確立を支援してまいりたいと存じます。 また,就農相談や経営支援については,三徳園を核として取り組んでいるところでありますが,お話の国の事業を活用して,さらに充実させるとともに,就農前から産地への定着,さらに経営の確立までの各段階において,切れ目なくサポートしてまいりたいと存じます。 次に,農業教育の充実についてでありますが,スマート農業や環境保全型農業の知識や技術を有する人材を育成することは,みどりの食料システム戦略が目指す革新的な技術・生産体系の社会実装を進める上で重要であると認識しております。 県では,お話の事業等を活用し,農業大学校をはじめとする農業教育を担う学校等において,環境制御装置やドローンなどの機器整備や有機農業論など,カリキュラムの充実に努め,先端技術を取り入れた実践的な教育を推進し,将来の本県農業を担う人材の育成に努めてまいりたいと存じます。 次に,ニーズについてでありますが,県では,県内外での就農相談会で,就農希望者のニーズを十分聴取するとともに,複数地域での就農オリエンテーションに参加いただくなど,希望に合った品目や産地とのマッチングに努めており,就農した方の多くが営農を継続していることから,おおむねニーズに合った支援ができていると認識しております。 一方で,受入れ産地は,県が振興する重点品目を中心として整えられていることから,御希望に添えない場合もありますが,市町村への働きかけや普及指導センター等での個別相談を通じて,可能な限り就農希望者が目指す農業経営を確立できるよう支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移ります。 24番。 〔 24番 木口京子君 登壇 〕
◆24番(木口京子君) ありがとうございます。 個別のニーズにもしっかりと応えていただけるように努力してくださるということですので,頼もしく思っております。よろしくお願いします。 それでは,有機農業についてお尋ねします。 農林水産省は,「みどりの食料システム戦略」で,2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%,100万ヘクタールに拡大する目標を掲げ,環境負荷の低減に向けた新たな法律制定を進めています。 生産現場での有機農業の拡大は待ったなしです。同省によると,国内で約4,000戸の農家が有機JAS認証を受けていますが,実質的に有機に取り組む約8,000戸は認証取得していないそうです。 なぜ広がらないのか。現場からは第三者機関による認証は「費用が高く,書類作成の負担が大きい」といった声が上がっているそうです。 有機JAS認証を取得した方から伺うと,勉強し,かなり分厚い書類を作成してクリアできたそうで,個人で取得するにはかなり大変だと言われていました。 岡山県には,「おかやま有機無農薬農産物」という有機JASよりもさらに厳しい格付の農産物認証制度があります。今後の有機農業拡大に向けての取組をどのように進めるのか,お考えをお聞かせください。 農林水産省は,21年度補正予算と来年度予算で,市町村が主体となってまとまって有機農業に取り組む
地域づくりを支援することとしています。堆肥など有機質材の供給体制の整備や,集出荷体制の構築,学校給食での利用,有機農産物を原料にした加工品製造など,生産から消費まで一貫した取組を推進し,25年までに100市町村を「オーガニックビレッジ」とする計画です。 子供たちにも,生産者にも,地域にとってもよい,このような「まとまって有機農業に取り組む
地域づくり」に岡山県でも取り組んでいただきたいと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いします。
○議長(神宝謙一君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) お答えいたします。 有機農業についての御質問であります。 まず,取組についてでありますが,県では,これまでも環境保全型農業の推進に取り組んでいるところでありますが,その拡大に向けて,おかやま有機無農薬農産物,有機JASのいずれについても,参入希望者に対する講習会を通じて,認証申請手続をサポートするとともに,認証手数料に対する補助も行っております。 引き続き,こうした取組を進めるとともに,規模拡大に向けた機械や施設の導入支援,産地見学会や商談会の開催による販売促進にも積極的に取り組み,有機農業のさらなる拡大に努めてまいりたいと存じます。 次に,
地域づくりについてでありますが,有機農業の拡大に向けては,地域ぐるみの取組も重要と考えており,県では,現在も市町村からの相談に随時対応しているところであります。 今後,市町村に対しては,先進地の情報提供や意見交換等の場を設けて機運の醸成を図るとともに,具体的な取組に対しては緊密な連携が求められることから,普及指導センター等による積極的な支援に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(神宝謙一君) 次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 24番。 〔 24番 木口京子君 登壇 〕
◆24番(木口京子君) ありがとうございます。 その有機JAS取得の認定料というか,そこら辺に補助を出してくださってるということは存じております。それは岡山が先進的に始めたものを国がやるということで,そこで一つ付加価値というか,安くしたということも聞いております。安いからこそありがたいのですが,多分今後,有機農業が進んでいく中で様々な課題も出てくるんだと思いますので,そこはちょっと気にしながら見ていきたいと思います。ありがとうございます。 続きまして,発達障害の子供のためのICT活用についてお尋ねします。 学習障害のお子さんを持つお母さんからお話を伺いました。公立小学校に通うお兄ちゃんは学習障害で書くことが苦手です。学校で何度も書く練習をさせられて,それでも書けなくて学校に通うことが苦しくなり,それでも頑張っています。 一方,私立の小学校に通う障害のない弟は,学校で何度も書く練習をすることはなく,タブレットを利用して楽しそうに勉強しています。なぜ本当に必要な子に必要なツールが与えられず,感じなくてもよい苦痛を味わわなければいけないのか,公立と私立の違いは様々だと感じますと。 また,別のお母さんからは,障害のあるお子さんは,御自身のお子さんは書くことも表現することも苦手ですが,パソコンに詳しく,自由研究では懸賞に応募して入賞するような子です。でも,学校の先生からは,本当にこの子が自分で作成しているのか証明をする動画を撮影するように言われたとのことです。 ICT活用においてセキュリティーを考えることは大切ですが,活用の幅を狭めてはいないのでしょうか。子供自身の気持ちや考えを聞くことを忘れているのではないでしょうか。学校現場から信頼と柔軟性が失われているのではないでしょうか。私はお話を伺いながら申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 発達障害のある子供のために,公立学校においてICTを活用するということについて,課題及び今後の取組について,県教委としてはどのようにお考えでしょうか,教育長の御所見をお伺いします。